真夜中こっそりパンを焼く
あの日からこぼれ落ちた思い・日々を                                            ブログに綴ります。どうぞご覧ください。                                       こば きょうこ
***第2作できました***

「やってごらん#1.recipe&essay」
オールカラー32P冊子/ 600円
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著書・著者紹介

Author:こば きょうこ
「真夜中こっそりパンを焼く
recipe&essay」2006年2月発刊
分は2007年2月をもって完売しま
した。ありがとうございました。

2001年より製パン講師として
"パン工房Bread Basket"主宰。
自宅&出張講習・企画・試作等
承ります。下記お問合せフォーム
よりご連絡ください。
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この度はありがとうございました。 P14-6.で
『180℃で見つめること15分』
という記載が漏れておりました。
ここに訂正しお詫び申し上げます。

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紳士なひと
久しぶりに天神にバスで出かけた。
事故にあってから、すっかり車に乗り付けてしまって
足で歩くことがめっきり減った。いかんいかん・・。

で、天神まで約1時間。乗り物に乗ると必ずといって
いいほど、お休み3秒の私だが、日差しが急に強く
なったのと、時間が切羽詰っていたのとで、
この日は目をつぶることなく天神まで来た。

天神郵便局前で、このバスの大抵の人が降りる。
降りる人の列ができたその先頭に、杖を持ったおばあさんが、
料金箱の前でお財布を開けて、さていくらですかね?と
運転手さんにたずねている。後ろに並んだ、耳にイヤホンを
つけているスーツ姿も初々しい新人クンの列が、ちょっとずつ
間を詰めて、「早くしろよ」と無言のプレッシャーをかけてきている。
もちろん、おばあさんは自分のペースを崩すことはない。
運転手さんも言葉は丁寧だが、態度は斜め45度だ。

と、先に降りかけていた、ちょっとくたびれたスーツ姿の会社員が、
振り返って、すっと手を差し伸べた。
ほんとに、あまりにも自然におばあさんの手をとって
バスのステップを降りるのを、静かにサポートした。
ほんの数秒の出来事。映画の1シーンのような、その場の空気が
はっとするような、美しい出来事。おばあさんの一歩一歩を
みんなが黙って見つめている、そんな空気感。
「お世話かけて、すんまっせん・・」と小さな声で応えるおばあさん。
いえなんの、と目で答えるサラリーマン。

おい新人クン!見たか?今の。これぞ真の男のやさしさってもんよ。
同じ男なら、今のをまぶたの裏にしっかと焼き付けておいてくれよなあ!

小さく会釈をして別の方へ向かった、おばあさんと会社員。
さっきおばあさんをサポートした手は、パンフでいっぱいの紙袋を
しっかり握って、天神の雑踏に消えてしまった。
一部始終を窓越しに見送った、私。
帽子こそ被ってなかったけど本物の紳士。いたよ、この天神にも。

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